平成30年9月10日
いま私たちが「有難い」と言うのは、人や物に対しての「感謝」の意味ですね。しかし、この「有難い」が感謝の意味で使われるようになったのは近世以後とのことで、それまではこの言葉は文字通り「あることが難しいもの」であり、「滅多にないもの」「滅多にないほど優れている」という意味でした。
枕草子に「有難きもの」という一章がありますが、その冒頭に「舅に褒められる婿」「姑に可愛がられる嫁」とあるのは笑えますね。また「主人の悪口を言わない従者」というのもあって私たち人間て千年たっても全然変わらないと苦笑せざるを得ません。嫁姑の軋轢はもちろん、宮仕えの部下が上司の悪口を言うのも古今変わらずですね。
ところで話を戻して、皆さんが感謝の意味で有難いと思うのはどんな時ですか。もちろん困っている時に助けてくれる人があれば有難いと言うでしょうが、それだけでなくこの言葉「有難う」を何時どんな場面で使っていますか。有難うという言葉は不思議な力を持っていると思いますので皆さんに是非意識的に多用して頂きたいのです。
私は日常的に車に対して「有難う」と言います。車は冬の寒い日にも夏の暑い日にも不平一つ言わずに走ってくれます。歩けば優に一日かかる距離を一時間で連れて行ってくれます。車なくして生活できないいま私は用事を終えて戻った時には車に「有難う」と言います。車を運転される方はきっと同じようにお思いでしょう。
しかし実はもっと大切な有難いもの、私たちが普段意識していない有難いものがあります。それは水、空気、お日さま、山、川、海などの自然です。人間はこれらの自然と自然の中に存在しているものがなければ生存し得ません。しかし、私たちは普段この自然の有難さをどれほど感じているでしょうか。
地球温暖化の影響でいま気象災害が年々激しさを増しています。今この私たちに出来ることは自然の有難さに感謝し地球を大事にすることです。水さん空気さん有難う。太陽さん有難う。山さん川さん海さん有難うと感謝し、この地球に生かされていることに感謝することです。地球さん有難う!です。
おうい雲よ
ゆうゆうと馬鹿にのんきさうぢゃないか
どこまでゆくんだ
ずっと磐城平あたりまでゆくんか
~ 山村暮鳥 ~
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