「核兵器禁止」を №643

 「核兵器禁止」を

 令和3年8月6日

 今年は戦後76年。そして今日86日は広島原爆の日、9日は長崎原爆の日です。先日は広島高裁が原爆投下後に降った「黒い雨」被ばくを訴えた原告84 人全員を被爆者と認める判決を出し、政府はこの判決を受け入れて最高裁に上告しないことを決めました。政府部内にはなお上告を意図する向きがあったようですからまずはよかったと思います。

 それにしても、と思います。被爆者の平均年齢は84歳に近づいていて、今回の原告84人のうちすでに15人が亡くなっていると言います。今回と同様の問題は長崎にもあり、援護対象区域外にいたために被爆者と認められていない住民が訴訟を起こしているそうですが、もはや被害者に残された時間は限られているのです。

 戦後76年という年月は人の一生に値する時間です。この長い年月を被爆者たちは不安と苦しみのうちに過ごさなければなりませんでした。筆舌に尽くしがたいとはこのことでありましょう。それだけに核兵器の恐ろしさを身を持って体験した人々の願いが核兵器廃絶にあることは言うまでもありません。

 しかし、我が国はいまだ「核兵器禁止条約」に署名も批准もしていません。この条約は2017(平成29)年920日から各国による署名が始まり、昨年1024日に批准した国が50か国に達して、今年令和3122日に条約発効となりました。ところが、です。日本は核保有国の傘の傘下にあるという理由で署名も批准もしていないのです。

 世界唯一の被爆国日本が条約に批准していないことは許されることでしょうか。むろん核の傘の恩恵を被った日本にはそれなりの事情もありはしますが、今なお被爆の苦しみが続いている国として特別の思いと願いを発信することは義務と言ってもよいのではないでしょうか。それなくして日本の立場はないはずです。

 私には願いがあります。この条約の批准は国と地域がありますが、この地域として広島市と長崎市が認められないかと言うことです。国が批准をしないならば広島長崎両市が地域として批准できないないだろうかと思います。現状では難しいようですが核兵器廃絶を願う国民としてそれを願って止みません。

 

 核兵器禁止条約は「使用するという威嚇」

まで禁じています。

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