「自分の季節を生きる」 №699

  「自分の季節を生きる」

令和4年10月1日

 このたより前号(長寿を生きる)で長寿者が健康に暮らすための十則をご紹介しました。なるほどと共感された方も多かったと思います。長寿になったら行住坐臥、その年齢にふさわしい行動をすることが大切という教えでした。年を取ればそれまで出来ていたことも出来なくなります。意識と行動を改めるしかありませんね。

 そんなことを考えていた丁度その時、上の「自分の季節を生きる」と題する海原純子(心療内科医)さんの新聞コラムが目に入りました。海原さんは最近「年齢の壁」という言葉をよく聞くようになったのだそうです。年齢の壁は確かにある。けれどもう一つ、自分がつくり出した「壁」があってそれに縛られている人が多いと思うのだそうです。

 海原さんはこう言われます。「自然のリズムには逆らえない。だが自分でつくり出した年齢の壁にとらわれてもう年だからと自分の可能性を捨ててしまうのはもったいない。逆にまだまだ若いといって自然のリズムを否定するのも年齢にこだわり縛られている」「たとえ病気になっても生きている限り残された可能性はある」と。

 海原さんの言葉を聴いて思いました。自然のリズムに逆らうことはできません。私たちの一生を季節にたとえるなら青春時代は文字通り春、壮年時代は夏、そのあとは秋、そして老いの時代は冬。この自然のリズムには逆らえません。アンチエイジングをいくら頑張っても悪あがきに終わるばかりです。

 海原さんはこのことについてこうおっしゃっています。「秋になったら夏と同じことはできないし同じ服装で過ごせない。それと同じように、自分の季節に合わせできることを見つけて過ごすのが心地よい生き方になるのだろう」。ということは、今自分がどの季節を生きているのかを正しく認識して生きることが大切ということですね。


 私がコロナに思ったことは「共存」でした。絶滅させることが不可能なコロナウイルスとは共存するしかありません。このことは海原さんがおっしゃることと同じです。自然のリズムには逆らえない年齢。その年齢と共存するのが無理のない生き方。自然な生き方なのでありましょう。



無理に年寄りにならなくてもいいし、

無理に若いふりをしなくてもいい。

自分の季節を生きたいものだ 

        
 <海原純子>

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