人間には何が必要か №716

 人間には何が必要か

令和5年2月4日

ホセ・ムヒカ。愛称エル・ペペ。正式にはホセ・アルベルト・ムヒカ・コルダーノという人の名を皆さまもお聞きになったことがあると思います。そう「世界一貧しい大統領」と言われた人です。ホセ・ムヒカさんは20101月から20153月まで5年間、ウルグアイの第40代大統領を務めました。

 そのホセ・ムヒカさんがなぜ「世界一貧しい大統領」と言われたのか。それはホセ・ムヒカ大統領が月給1万ドルのうち毎月その90%をチャリティー活動に寄付し、自らは一般人が驚くほど質素な生活をしていたからです。先達てのテレビでも相変わらずその質素極まる生活をしておられる様子が紹介されていました。

 そのテレビの中でムヒカさんが「この世に奇跡があるとすれば生まれてきたこと」と言われたことに感銘を受けましたが、その根底には自身の大変な体験があったのだと思います。ムヒカさんは若い時、極左武装組織に加わっていて4度逮捕され、13年間の牢獄生活のうち、2年間は井戸の底に閉じ込められていたと言います。

 そのムヒカさんには数々の名言がありますが、それらを読むと名言はお釈迦さまの教えそのものでもあり、私たちの人生には何が必要かということを考えさせられてなりません。その一つが「足るを知る」ですが、これは「少欲知足」(欲少なく足るを知る)そのものです。欲にはキリがありません。ムヒカさんも人間の基本は知足と気づかれたのでありましょう。

 2番目は「謙虚であれ」。これもお釈迦さまの教えにあることです。人に対してはもちろん、自然に対して、そして生きとし生けるものに対して謙虚でなければなりません。地球温暖化のことにもコロナのことにも謙虚に反省し共に生きる道を探さなければなりません。私たちが大いなる存在への畏敬の念と謙虚な心を取り戻さなければ未来はありません。


 もう一つ。「情熱を注げるものを見つけ、常に情熱的であれ」という言葉。私たちはしたいことしなければならないことがあって生まれてきたのです。そのしたいことこそ自分が情熱を注げるものでしょう。人生は情熱を注げるものを生涯探し続けていくこと。ムヒカさんはそのことを言っているのだと思います。


「自分の心に従えば自由を

手に入れることができる」

     <ホセ・ムヒカ>

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