大震災から何を学ぶか
小学生、中学生の皆さん。今年も御大師さんの日になりましたね。去年この「かんのんだより」で皆さんに「靴をそろえる」ということをお願いしました。どうですか。その後、家に上がるとき靴をきちんと揃えて上がっていますか。「うーん、忘れてたぁ」という人は是非今日から実行して下さい。
ところで、先月3月11日に東北・関東で大震災があり、地震と津波のために何万人もの人が亡くなったり行方不明になったりしていますね。おまけに福島では原子力発電所が津波のために事故になり、その近くに住む人たちは今も放射能汚染の恐怖で不安の毎日を強いられているのです。
この下関で私たちは被災地の方々の悲しみや苦しみ、絶望や不安から免れてはいますが、その有難さを思えば私たちが被災地のために、そして日本の将来のためになすべきことを考えなければなりません。私はその一つとしてこの大きな災害から自分たちが何を学ぶべきか皆さんに考えて欲しいのです。
その第一は人間は自然とどのように生きればよいかということです。今回は三つの大きな地震が同時に起きて今まで経験しなかったような巨大な地震になりました。その結果、過去にあった津波なら十分耐えられるはずの防潮堤も原発も無残に壊れてしまったのです。自然はある時は人間にとって恐ろしい脅威になるのです。私たちはこの自然をどのように考えどのように生きればよいのでしょうか。
考えて貰いたいことのもう一つは、生活を見直す、ということです。今回の被災でお湯はむろん水も出ず食べ物もろくにない日を味わった人たちは電気や水道、食べ物の有難さを身にしみて感じたと思いますが、私たちはこのような普通の生活を「当然」と思って来たのではないでしょうか。
今度の震災で改めて分かったことはその当たり前の生活が実は厖大なエネルギーの消費と命を脅かす危険と隣り合わせに成り立っているということでした。これからの日本の社会を担うのは皆さんです。人間にとって幸福な社会とはどんな社会なのかどうぞ考えて下さい。今回の災害から私たちが学ぶべきことはそのことなのです。
自分の生き方さえ求めたら、
現在の暮らしよう、生き方は必ずある。
~大佛次郎~
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