訓練100回現場1回 №106

平成23年9月1日

訓練100回現場1回


 先達てテレビで大震災の津波被害から辛くも命拾いした高校生の話がありました。その生徒の学校では普段から津波発生に備えて避難する訓練を続けていたそうですが、その普段の訓練が自分達を助けることになったというのでした。

そういえば、7月に私が訪問した釜石市でも児童全員が避難できた小学校の話を聴きましたが、その小学校でも「おはしも」(押さない、走らない、しゃべらない、戻らない)を合言葉に津波避難訓練を続けていたということです。

この二つの話は普段の訓練がいかに大切かということでしょうが、それで思い出した言葉がありました。それが表題の「訓練100回現場1回」です。これはある消防士の方から聞いた言葉です。消防士は火事や救急活動に備えて毎日毎日訓練をするのだそうです。その毎日の訓練を重ねるからこそ本番1回の消防活動、救急活動が出来るのだということでした。

この話を聴いた時、思わず私は「そうなんだ」と強い感銘を受けましたが、助かった高校生の話も釜石の小学校の話もまさに同じことと思います。津波に備えて普段から真剣な訓練を積み重ねていたからこそ今回の未曾有の津波から逃げおおせることが出来たのです。今日は防災の日ですが「普段の真剣な訓練の積み重ね」ということを改めて肝に銘じましょう。

しかし、考えればこれは私たちの信仰、仏道修行も全く同じと言えると思います。いま、この観音寺の朝のお勤めに毎日数人の方がお出で下さっていますが、これを私はとても有難く貴いことだと思っています。寒い冬も暑い夏もずっと続けておられるのです。
 

 そして、毎日お経をあげ、世界の平和と震災からの復興を祈り、震災犠牲者ならびに随喜各家の先祖供養をしておりますが、これを継続しておられることが貴いのです。信仰も仏道修行も毎日の繰り返しが命なのです。来る日も来る日も繰り返し繰り返し祈り祈り続けて「祈り漬け」になることが大切なのです。 


     毎日 毎日  祈り 祈り 祈る
      その時 人は
     何かに気づき 何かが変わる

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