イヌネコヒョウ №158

平成24年10月1日


イヌネコヒョウ

 
 先週の動物愛護週間、立て続けにイヌとネコとヒョウの話に接しましたので、その話をご紹介いたしましょう。
 
 一つ目は921日の朝日新聞天声人語に載っていたユキヒョウの話です。それによると、多摩動物園で飼っていたユキヒョウの母親は餌をすべて子供に与えてしまうため、食事の時の部屋を別にしようと自動扉を閉めている時に子が鳴き出し、その声を聞いて戻ろうとした母ヒョウが扉に挟まれて死んだというのです。
 
 二つ目は私の仕事時代の友人、Kさんからの電話です。Kさんが飼っていた大型犬、マルちゃんが死んだという知らせです。何故そのことを知らせてくれたかというと、私がその友人の家に行くと大抵友人はおらず、私が留守番をしているマルちゃんとひとしきり遊んで帰っていたことを知ってくれていたからです。
 マルちゃんは血液がんになって最後一カ月は寝たきりになり、Kさんは夏休み中介護にあたったということでした。Kさんはマルちゃんを何処に行くのも一緒というほど可愛がっていましたから悲しみは言うまでもなかったでしょうが、「悔いはない」と言われました。寝たきりになった一カ月それこそ親身の世話をしたからでしょう。
 
 三つ目は私の娘からのメール。娘の愛猫、元のらネコ、ミャミャの話です。娘は中学生の頃からこのネコを“溺愛”していましたが、このミャミャ、鼻に出来た腫瘍が目にまで及んで最近は餌も水も満足に取れない状態になってしまったのです。それでも健気に生きる姿に感動する娘の悩みは苦しみを少しでも除いてやりたいということでした。
 
 この三つの話は、私たち人間に置き換えられる話ではないでしょうか。人間が失いつつある母性、長寿時代の介護、延命治療のあり方。どれも今の日本社会の大きな問題です。しかもそれは他人のことではなく自分自身の問題なのです。人間としての尊厳を失わず生を全うし死を迎えるにはどうしたらよいか、自分が考えねばなりません。
 

All is well that ends well.   終わりよければすべてよし

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